第133章 互角

「矛盾はしない」

灰原仁司は水の入ったグラスを一つ、彼女の前へ滑らせた。

「俺に、その程度のこともできないとでも思ってるのか?」

そう言って永井明に目配せする。すると永井明はすぐに資料を抱え、無言で部屋を出ていった。

杉浦杏奈はもうすっかり平静を取り戻していた。微笑みながらグラスを手に取る。

「あなたの力は、もちろん信じてるわ。でも、一つずつ片づけるのはどう?」

ひと口、水を含む。

表情は自然でも、胸の奥は落ち着かなかった。

灰原仁司に力があることは知っている。けれど、藤原家の島にいるあの客たちを相手に、彼一人でどこまでやれるのかは分からない。

前世で自分が相手をした客の中...

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